茶畑の見える家

 私はずっと「幸せそうな家」に住みたい。そう思っていました。電気の灯りがつき始める時間帯になると、とても幸せそうな家を見かけることがありました。それはどんな・・・と言葉では表現できない何か感覚的なものでした。結婚して家族ができて、自分の家を持ったらそれは自然に「幸せそうな家」になるのかと思っていました。

 

 結婚してすぐに中古住宅を買い住み始めました。子供も産まれとても幸せでした。でも私の思い描いていた「幸せそうな家」とは少し違っていました。夕方、暗い家に帰ると、なんだかむなしい、さみしい気分になるのです。そんな時、家を建て替える話がでたのです。たくさんの住宅展示場を回り、たくさんの住宅雑誌を見ました。でもどの住宅展示場を見ても何か違う・・・そう思っていました。幸せそうな雰囲気は感じられなかったのです。自分たちがそこに生活するイメージがわきませんでした。

 そんな時、主人が「会ってみたい建築家さんがいる」と一冊の雑誌を見せてきたのです。そこには立派な1軒の家と、小さく住環境研究所の藤田さんのプロフィールが載っていました。

 

 そして初めて訪問した日、事務所兼自宅になっている家と、今まで建てた家の写真を見せて頂きました。驚いたことにそこには私の求めていた「幸せそうな家」がたくさんありました。帰りの車の中で主人は「住環境さんに家を建ててもらう」そう言いました。周りにはハウスメーカーで建てた人ばかりだったのでまさか設計事務所にお願いすることになるとは思っていませんでした。それでも私もやっと「幸せそうな家」を造ってくれる人に出会えたととてもうれしかったです。

 

 そして始まった家づくり。初めて訪問してから9カ月もの時間をかけて、丁寧に設計していただきました。自分たちの生活パターンと照らし合わせてことこまかく導線を考えてくれたり、ここはこんな風にしたい、という意見も次の打合せには案を持ってきてくれたり。そのおかげで住み始めてすぐから何の違和感もなく、ずっとそこに住んでいたように私たちに馴染んでいました。

 建築中に驚いたことは、土台や床建具の塗装を自分達でできた事。大変ではありましたが、その後のメンテナンスの仕方、自分達も建築に関われたという喜び、そして何より自分の家に対する愛着がわきました。分離発注というめずらしい事務所を選んだからこそ、家を1軒建てるのにこんなにたくさんの人が関わっていたんだという事を知ることもできました。

 

 今、我が家はもうすぐ1年を迎えようとしています。たくさんの自然素材のおかげで風邪を引く回数も減り、毎日健康に暮らしています。家は3度建てないと満足いかないと言います。実際自分の周りにも「家を建てて住んでみると失敗も出てくるのはあたり前」と聞いていました。しかし長期間の打合せと住環境さんの経験からくる的確なアドバイスのおかげで、1年たった今でもいい家だなぁとぼーっと眺めてしまう事もあります。

 そして一生懸命考えて建てた家だからこそ、大切にしようという気持ちがあります。

掃除が得意でなかった私が毎日きれいしようとがんばれるのです。

 前の家では台所が孤立していたので「台所に立つのが好きではなかったのですが、今は家族の笑顔を見ながら台所に立つのがとても楽しいです。立て替える前に感じていた寂しい気持ちは今は全くなくなりました。どこに出掛けていても早く家に帰りたいと思うようになりました。昔から夢見ていた「幸せそうな家」は今やっと目の前にあるのです。展示場巡りをしていたころに見た、頑丈な鉄骨ではなくても、最新設備ではなくても、自然の温もりや、この1軒の家を建てるのに携わってくれた皆さんの力と優しさが今の我が家の幸せな家につながっているのだと思います。

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