街の光箱

いま、私たち家族は、心から嬉しい気持ちでこの家で毎日を過ごしています。

 

「いつか自分たちらしい家に住みたいけれど、それがどんな家なのかわからない」

「家づくりへの知識がなく、設計事務所は少し難しく感じてしまう」

「予算の制約。。」

そう悩んでいた私たちのような家族にも、今回体験したような、心から満足できる家づくりができたということ、そしてそうした家で暮らすことがいかに嬉しいことなのかを、同じように考えている方にもお伝えすることができれば、と思います。

 

 この家の完成は、携わってくださった大勢の方々のお力のおかげです。

その過程を大きく2つにまとめさせていただくならば、

 

ー施主自身が主体的に考える視点を与えてくれ、そこに本当にたくさんの時間を

 かけてくれた、充実した打ち合わせによる設計

ー職人さんたちの手仕事の施工の素晴らしさ

 ではなかったか、と考えます。

どんな家にしたいのか、を具体的に決められず、不安な気持ちでスタートした私たちにとって、設計事務所の方と打ち合わせを重ね、施工業者の方々と話をしていく中で、その形がおのずと決まっていったことは驚きでした。

打ち合わせでは、約一年間毎週のように、私たちの漠然とした希望や考えを気長に丁寧に聞いてくれた上で、施主自身が自分たちの生活を深く掘り下げていくことができるよう、それは決して、用意提案されたものから施主が選択していくのとは違う、そこにシステムやパターンがあるのでもない、ゼロから少しずつ、一緒になって考えていく、というスタンスで、大きく舵取りをしてくださいました。

例えば、

吹き抜けをつくるのか?

であれば、

家族間のつながりはどうありたいのか、子供の成長とともにそれはどうか、

時間帯ごとの家族の居場所と暖気の流れは、と深めていってくださいました。

 

そう一つ一つの家のかたちを考えていくことで、ひとの居場所、モノの管理、家での時間をどう過ごしたいのか、そして、家族同士どうつながりたいのか、それは、今はこれからは、ひいては、子育ての方針や、自分たちのありたい姿、を私たち自身で見つめ直していくことができたように思います。

 

それは、私たちにとって初めての経験であり、それはもう、考えて考えて、悩み続けた打ち合わせでした。

でも、そこにたくさんの時間をかけていただいた結果、自分たちらしい家のかたち、間取り、収納、内装設備といったことが自然とかたち作られていったのです。

 

そして同時に、設計士の方々の、私たち家族の生活を親身に考えてくださっていたそのおもんばかりが、とても心強かったです。

 

また、ここで人とモノの居場所をしっかりと整理できたことで、建坪約30坪のコンパクトサイズのこの家が、夫婦と子供2人の私たち家族にとって、狭さや収納力の問題は全く感じない、自分たちの身の丈にあったものだ、と思えるようになった、ともいえます。

 

このようにして生み出された家は、暮らし始めるとすぐに、まるで新しい家族のように、自分たちになじんでくれたように思います。

設計の中では、予算内におさめるためのきめ細かな工夫、洗練されたデザインの楽しい提案もたくさんしていただきました。

ー玄関脇のパネルや、内側にはった大きなステンレス、といった斬新なアイデア

ー予算内で上手に組み合わせてくれた木と石の浴室

ー奥行きと緑を楽しめる浴槽横の窓

ー東西を挟まれた土地でありながら、風のぬける窓、天窓からの明るい日射し

 それをロールスクリーンで手加減できる楽しさ

 

これらに日々の生活のなかで触れるたび、まるで自分たちの暮らしをおもんばかってくれる親しい友人を身近に感じるような、嬉しい気持ちになります。

施工に関しては、その一つ一つが人の手による手作りで進められていったことは、既製品になれている世代の私たちには、これもまた大変な驚きでした。

 

ー光の加減で浮かび上がる、漆喰の壁にさーっと気持ちよく伸びた塗りあと

ー想像以上の緻密な大工仕事で、無垢板から、柱や本棚をはじめ、窓枠や物干竿を

 とめる小物といった様々なものがうまれていったこと

ーわずかな植栽面積ながら、そこに新しい印象の木々を厳選して植えてくださり、

 その途端家がいきいきと彩られたこと

ー床板に使う杉板を、含んでいるオイルの量や節の有無から、生活の場面にあわせ

 て丁寧にはめ込んでくださっていったこと

 

などなど、あげきれません。

それらはそれぞれ、目に見える部分も見えない部分も、表も裏もないのです。その一つ一つが、職人さんの質の高い手仕事でつくられている、それらを、毎日の生活の中で感じることができる、というのは、何よりのぜいたくなことなのではないでしょうか。

そして、その実際の作業のいくつかを、現場で目の前でみられたことは、私たち家族にとって、この家に住む上で大きな意味があった、と感じています。

このように振り返ることで、私たち家族はこう考えます。

心から満足して暮らすことができる家、というのは、吟味して考えられた間取りや、生活に即した工夫といった、「いまあるかたち」だけでは決してなく、そこに至るまでの過程でいかに悩み考え、助けられ、納得し満足してきたか、そこからうまれる達成感や感謝、よろこび、といったものを毎日の生活で感じることができる家、なのではないでしょうか。

そんな家づくりは、とても楽しいものなんだ、といま改めて感じています。

 

 それを可能にしてくださった、住環境研究所の藤田所長、そして設計士の佐藤さん、終始冷静に、細かな部分まで思いやりにあふれた設計をしてくださいました。

施工に携わってくださった皆様方に、改めて感謝申し上げます。

みなさまとの幸福な出会いのおかげで、私たちはいまこの家で暮らしています。

 

 最後に、重ねてになりますが、かつての私たちのように、そんな家づくりを遠くのものに感じている方がいれば、こうした家づくりの素晴らしさ、新しい家族としての家に住めるよろこび、を感じていただきたい、そうした出会いがあることを願っています。

 

-WORKS-

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